前回は、高配当株の魅力や注意点、銘柄の選び方についてお話ししました。
今後も安定して配当金を維持・増配してくれる銘柄を探すことが重要、過去の業績がよかったからと言って安易に飛びつかず、ホームページ等で調べる、ということでしたね。
今回は、実際にホームページ等でチェックしてほしい点について解説したいと思います。
個人的に重要だと思っているのが、業績予想と配当金予想です。
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まず最新の業績を確認するなら、「決算短信」という書類の1ページ目を読むのがいいです。
前回で業績を確認した、アイホンを例に見ていきましょう。
ホームページまで飛んだら、①の「株主・投資家情報」というボタンがトップページ上部にあります。そこをクリックしましょう。

ちなみにアイホンは、上の画像を見てわかる通り、インターホンの会社ですね。インターホン業界においては、シェア率59%と、業界トップらしいです!
①をクリックしたら、少し下に行き、IRライブラリーの②「決算短信」をクリックしてください。

続いて、下記の③の、2025年3月期の決算短信をクリックしましょう。ちなみに最新は2026年3月期第1四半期の決算短信ですが、まずは決算時期(2025年3月)の決算短信を見てみます。

すると、下記の通り、前回決算時の決算短信にたどり着きました。その1ページ目を見てみます。

④に直近(2024年度)および前年(2023年度)の経営成績が記載されており、一番下の⑤で来期の業績予想が記載されています。まずはこれらの数字を眺めてみましょう。

売上高はここ3年で右肩上がりであり、経常利益はまずまずといったところでしょうか。
続いてスルーした最新の決算短信を見てみます。

決算時の決算短信と比べるとちょっと内容が異なりますが、見るところは同じで、⑥の業績予想を見てください。本発表では、決算時から変更はないようですね。
ここで経営成績が上振れしそうなら上方修正、下振れしそうなら下方修正が行われます。この業績予想は株を購入するうえでかなり大事なポイントになってきますので、株を買う前に必ずチェックするよう心がけてください。
また、⑦では今期の第一四半期がどのような結果だったのか記載されています。これと業績予想を比較して、業績予想が達成されそうか、進捗率を確認してみます。
第一四半期の売上高:14,332百万円⇒業績予想の約22%
第一四半期の経常利益:268百万円⇒業績予想の約5%
売上高はだいたい1/4なので、今のところは順調そうですが、経常利益が進捗率5%と厳しそうですね。インターホン関係なので、時期的なものもあるかもしれませんが、前年比-85%が気になります。
これを受けても通期の業績予想は変更なしということなので、会社は結構強気な姿勢ですね。
このような感じで、気になる銘柄の決算短信を見て、業績予想やその進捗率について、考察してみてください。
配当金に関して、会社の今後の方針を確認するには、中期経営計画の情報を確認します。
アイホンだと、下記の場所にありました。株主・投資家情報⇒経営情報の①中期経営計画⇒②です。


この資料を見ていき、15ページ目に以下の配当金に関する記載を見つけました。

また、同社の決算説明資料にも、配当金に関して記載がありました。

③決算説明資料をクリックし、2025年3月期決算説明資料をクリックです。

上の資料をまとめると、
・配当金の基本方針は、配当性向35%
・第8次中期経営計画(2023~2025年度)の配当金は下限80円だが、追加還元分を合わせて今期予想130円
つまり今年度の減配はないけど、第8次中期経営計画の終わる2026年度の配当金に関してはわからないよ~ということですかね。去年度の配当性向は58.8%と、基本方針35%を大きく超えており、収益次第では減配もあるかもしれません。
このように、中期経営計画や決算資料を確認して、株主還元が今後どのようになっていくか、しっかりチェックしてくださいね。
以上、今回は、業績や配当金が今後どのような予想になっているか、確認する方法をお伝えしました。
前回・今回と事例として取り上げたアイホンですが、業績予想が達成されるかやや不安な面があり、僕的には現時点では購入見送りかな~と感じています。皆さんはどう思いましたでしょうか。
銘柄1つ1つ、決算短信や決算説明資料、経営計画を見ていくのは大変かもしれませんが、会社がどんな事業を展開しているか、業績予想はどうなっているか、株主還元に対する姿勢はどのようなものか、いろいろ考えながら調べていくと、だんだんと作業が楽しくなってきますよ。
焦らずこつこつと、丁寧に銘柄チェックをしていきましょう。
※投資は自己責任でお願いします。