【割安高配当株をピックアップ】iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFに含まれる銘柄を見てみよう

前回、ETFについて解説をしました。

復習すると、ETFは上場した投資信託であり、株と同じように市場で売買できる投資信託でしたね。

その中で、日本の高配当銘柄に投資する「iシェアーズ MSCI 日本株高配当利回り ETF」というETFを紹介しましたが、実際にこのETFはどんな銘柄に投資しているのでしょうか。今回はこの銘柄を紹介し、割安なものについてピックアップしたいと思います。

iシェアーズ MSCI 日本株高配当利回り ETF とは

本ETFは、日本株のうち、高配当で財務健全な企業で構成されています。銘柄数は現時点で30銘柄。このETF1本買っておけば、30銘柄に分散投資できるわけです。

銘柄の選出はただ高配当な銘柄を選んでいるわけではなく、高配当の中で、過去の配当実績や将来の安定性を加味し、財務健全な企業を選んでいます。

そのため配当利回りは決して高いとは言えず、ETFの性質上信託報酬もかかってくるため、利回り3%前後です。

含まれる銘柄一覧

下記が、本ETFに含まれる30銘柄になります。2025年9月11日時点でのPER、PBR、MIX係数、配当利回りを合わせて表にしてみました。

出展 コード~保有比率:BlackRock、PER・PBR・配当利回り:ヤフーファイナンス

表中でMIX係数(PER×PBR)を計算し、割安度を算出しました。MIX係数についてはこちらの記事をご覧ください。

日本の名だたる企業がそろっていますね。MIX係数は15を超えている企業がほとんどかと思いましたが、意外と15を下回る銘柄もありました。

一覧の中から割安・高配当な銘柄をピックアップ

一覧表からMIX係数が15以下で、配当利回りが3.5%以上の銘柄を調べたところ、5銘柄ありました。この5銘柄について、詳細に調査していきます。

7267 本田技研

言わずと知れた自動車メーカーですね。2024年新車販売台数ランキングでは、世界第8位、日本第2位と好調です。

IR BANKで業績・財務状況・配当金推移をチェックしていきます。

業績は右肩上がりで順調に伸びています。営業利益も長期で右肩上がり。ただ2025年度の予想業績は少し落ちる予想となっています。

財務は自己資本比率が40%、もう少し欲しいかなといったところですかね。

配当金推移ですが、2024年3月での配当金が126円となっていますが、何かあったのでしょうか。この年を除くと、2021年わずかに減配した以外は堅調な伸びですね。

決算資料を見たところ、2026年3月期以降、配当指標としてDOE3.0%を目安に還元するとの記載がありました。配当性向もあまり高くないですし、これは増配の可能性もありますね。

まあまあ割安ですし、高配当でまだ増配の余地もある、なかなかいい銘柄なのではないでしょうか。

8725 MS&AD

MS&ADは、三井住友海上保険やあいおいニッセイ同和損害保険会社などを傘下に持つ、保険持株会社です。

業績等を見ていきましょう。

正味収入保険料は右肩上がり、経常利益も順調です。

自己資本比率は15%、保険会社なので、こんなものではないでしょうか。

配当金は、12期連続増配中で、今年度も増配を予定しています。配当性向もまだ余力がありそうです。

MIX係数11台で割安感があり、配当利回り4.44%と高利回り、業績安定で連続増配銘柄と、かなり魅力的な銘柄です。

1928 積水ハウス

ご存じの通り、大手ハウスメーカーですね。技術力・施工力・顧客基盤が最大の強みということで、会社の自信がうかがえます。

IR BANKでのデータは以下の通り。

売上が着実に伸びてます。営業利益・経常利益も右肩上がりで、いい感じです。

財務ですが、ここのところ自己資本比率が下がってきており、昨年度は有利子負債比率がぐんと上がりました。おそらく何かに投資をしたんでしょうね。自己資本比率、40%だと物足りないので、戻ってきてもらいたい・・・。

1株配当、安定して伸び続けていますね。今年度も増配する予定で、これで14期連続増配みこみとのこと。配当性向も40%前後を維持しており、安定感があります。

積水ハウス、配当利回りもよく、業績も安定しているにもかかわらず、思ったより割安なんですね。意外でした。これは買いもありですね!

9104 商船三井

日本三大海運会社の一つで、日本郵船に次ぐ2位の実力を持つ会社です。

売上はこのところは堅調ですが、2019~2021年はやや低く、2021年は営業利益が赤字になっていました。純利益は年によってばらばらであり、安定してるとは言い難いですね。

財務ですが、このところ自己資本比率を上げてきていますね。それとともに有利子負債比率が下がってきています。これはいい傾向ですね。

配当金は、毎年のように増配・減配を繰り返しちゃっていますね。配当性向30%が目標で、業績が毎年のように変わってくるので致し方ないですが、増配・高配当投資家としてはもっと安定してと言いたいです。

以上、商船三井でした。MIX係数5台とかなり割安ですが、配当金の推移が安定していません。あくまで安定して配当金を出し続けてくれて、何なら増配してくれる銘柄を推したいので、この銘柄はパスです。

7202 いすゞ自動車

いすゞ自動車は商用車メーカーということで、バスやトラックの製造販売をする会社です。大型ディーゼルエンジンの開発を得意としている、5台トラックメーカーの一つです。

業績・財務・配当を見てみましょう。

売り上げは右肩上がり、営業利益はばらつきがありますが、2010年以降赤字はありませんね。当期純利益もここ4年は安定しています。

自己資本比率は40%強とそこまで問題はないですが、やや有利子負債比率が高いですね。

1株配当は2021年のコロナ禍の時に一度のみ、減配しちゃいました。コロナ禍は非常事態だったので仕方ないかもですが、そこで耐えてくれると、投資家としてはとてもいい印象を抱けたんですけどね。配当性向は悪くはないですが、業績が悪化した時に今度は耐えてくれるか、少し心配です。

いすゞ自動車でした。配当利回り4.68%に対し、MIX係数10.99はとても割安なのではないでしょうか。業績も比較的安定しているのですが、1回の減配が本当にもったいない!これがなければ十分検討の余地があったんですけどね・・・。


以上、今回は「iシェアーズ MSCI 日本株高配当利回り ETF」の銘柄紹介や、その中から割安かつ高配当な銘柄をピックアップして詳細を見てきました。

皆さん的には何が買いだったでしょうか。個人的には本田技研や積水ハウスが気になったので、もうちょっと調べてみたいと思います。

※投資は自己責任でお願いします。

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