投資について調べていると、「投資信託」という言葉が出てくると思います。投資信託とは何でしょうか。株とはどう違うのでしょうか。
今回は、この投資信託について、解説してみたいと思います。
こちらの記事でもお話ししましたが、投資信託はファンドとも呼ばれ、たくさんの投資家から資金を集めて、それをプロ(ファンドマネージャー)が代わりに運用してくれるタイプの金融商品になります。
集められた資金をどのような資産や銘柄に投資するかは、投資信託ごとに運用方針が決まっています。
プロが運用して得られた利益は、分配金や基準価額の上昇という形で投資家に還元されます。
基準価額とは、投資信託における値段のことです。株式の値段=株価の場合は、市場が開いている間なら時間がたつごとに刻々と動いていきますが、投資信託の基準価額は1日に1回しか公表されません。
この基準価額をもとに、買値、売値が決められます。
さて、投資信託で銘柄をいくつか挙げると、
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)・・・通称オルカン。全世界の株式に投資を行う。世界中の株式の詰め合わせパック。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・米国の株式に投資する。アメリカでメジャーな指数:S&P500の値動きに連動する投資成果を目指す。アメリカ版詰め合わせパック
- ニッセイ日経平均インデックスファンド・・・日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指すインデックス型の投資信託。日本版詰め合わせパック
なお、インデックスファンドとは、日経平均株価などの指数と同じ動きをするように運用する投資信託です。指数とは、株式や債券など、市場全体の値動きを表す指標のことで、簡単に言うと投資信託における「目標」みたいなものですね。日経平均株価は、日本の代表的な225銘柄の株価から算出される指標です。
他にも、指数より高い運用成績を目指すアクティブファンドなど、非常にたくさんの投資信託があります。
投資信託の魅力は毎月1万円などの少額から投資ができることです。これによってまとまったお金がなくても投資を始めることができます。
また、投資信託は毎月少額を積み立てていく投資(積立投資)が基本です。銀行口座やクレジットカードなどから毎月お金を出していく設定を最初にしてしまえば、何もしなくても毎月投資ができるようになります。
あまりお金がないけど投資したい、忙しくて銘柄を調べる時間がないけど将来のために投資したい、という方にぴったりなのが投資信託ですね。
投資信託は、指標に連動したり、指標を上回ったりするために、数多くの銘柄を運用しています。そのため、1つの投資信託に投資するだけで、間接的に分散投資ができています。分散投資していれば、1つの会社の業績が悪かったりしても、他の会社がよければ打ち消してくれますので、リスク管理しやすくなります。
また、投資信託を積立投資することで、時間的分散にもなります。毎月投資を一定額でしていくと、価格が高い時に買うこともあれば、安い時に買うことも出てきます。これを続けていくことで、平均的な価格で投資を続けていけるわけですね。これを「ドルコスト平均法※」といいます。
※名前にドルとアメリカの通貨の名前が入っていますが、通貨のドルではなく、お金全般を指す言葉になります。
投資信託は、プロに任せて運用するタイプの投資ということで、当然プロに代行費用を支払わなければなりません。
具体的に言うと、投資信託に投資をする際にかかってくる手数料は、
- 購入時手数料・・・投資信託を買うときにかかる費用。最近では無料(ノーロード)のものもある。
- 信託報酬・・・運用管理費用ともいい、毎日少しずつ差し引かれている。インデックスファンドは低めに設定されており、一方でアクティブファンドは高めに設定される。
- 信託財産留保額・・・投資信託を解約するときにかかるコスト。最近では無料であることも多い。
などがあります。特に名前を覚える必要はありませんが、重要なのは年に何%コストがかかってくるかを把握することです。
銘柄名 | インデックス or アクティブ | 手数料(信託報酬) |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | インデックス | 0.05775% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | インデックス | 0.0814% |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | インデックス | 0.143% |
ひふみプラス | アクティブ | 0.858~1.078% |
インベスコ 世界厳選株式オープン | アクティブ | 1.903% |
このように、インデックスファンドか、アクティブファンドかで手数料(信託報酬)がものすごく違います。例えば1000万円投資したとすると、オールカントリーなら年5,775円で済みますが、ひふみプラスなら最低85,800円、インベスコ世界厳選株式オープンとなると年190,300円取られてしまいます。
上記の通り、インデックスファンドに比べるとアクティブファンドは手数料がものすごく高いものが多いです。
でもその手数料以上に稼げれば問題ないのでは?と思いますよね。
実際は、プロでも長期的に見るとインデックスファンドを上回るのは難しく、さらに手数料や、プロがファンドを運用するために実施する分析にかかる費用などがあるので、アクティブファンドはインデックスファンドに基本的に勝てていないのです。
もちろん短期的に見ればインデックスファンドよりも好成績を出しているファンドはありますが、投資信託は長期的に運用するもの。長期で勝てなければ意味が薄れてしまうのです。
というわけで、おすすめは手数料が安く、堅実な成績を残してくれるインデックスファンドをお勧めします。
特におすすめのインデックスファンドは、すでに紹介している「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」か、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」ですね。
通称オルカンとも呼ばれます。ファンドが連動を目指している指数は、MSCIオールカントリーワールドインデックス(MSCI ACWI)です(長い!)。
この指数は、先進国23市場と、新興国24市場の株式を含んでいます。全世界株式と呼ばれる割に、意外と市場数は全世界ではないんですね。まあ世界株式の時価総額の80%超を網羅しているので、全世界といえば全世界です。
各市場のザックリとした比率は、
・アメリカ:約60%
・日本:約6%
・イギリス:約4%
・中国:約3%
のようになります。アメリカが半数以上ですね。それだけアメリカ市場が強いということです。
上に示した通り、このファンドは非常に手数料が低いうえに、右肩上がりの成績を収めています。

出典:日本経済新聞
アメリカが強いですが、一応全世界まるっと買っておきたいという方に、おすすめのファンドです。
一方で、全世界ではなくアメリカのみに投資したい!という方には、こちらのファンドをお勧めします。
ファンドが連動を目指す指数はS&P500で、こちらは米国を代表する大型株500社から構成されています。
米国市場の時価総額の約80%をカバーできており、アップル、マイクロソフト、アマゾン、NVIDIAなど、名だたる世界的企業が多数含まれています。
アメリカは先進国の中では唯一、人口がどんどん伸び続けている国であり、今後も成長が期待できます。
ファンドのチャートは以下の通り。

出典:日本経済新聞
こちらも問題なく右肩あがりです。オルカンと非常によく似たチャートですね。
アメリカを推したい方はこちらのファンドに投資してみるといいでしょう。
以上、今回は投資信託についてと、おすすめインデックスファンドについてご紹介しました。
インデックスファンドはまだまだありますので、紹介したもののほか、自分でも調べてみることをお勧めします。
手数料は大切なので、特に注意してくださいね。
今回紹介したインデックスファンドも、右肩上がりではありますが、途中何回か谷があるように、短期で見ると勝てない時期も存在します。
なので、まとまったお金をガツンと一気に投資せず、毎月こつこつと積立投資をしていく、「ドルコスト平均法」にて長期投資を実施することを強くお勧めします。
※投資は自己責任でお願いします。