【減配なし!?】累進配当について

前回はDOEについて、解説や採用銘柄の紹介をしました。

DOEは、配当性向と違い、純資産を基準とするので、一時的に赤字になっても配当金を維持してくれやすいです。

一方で、似たような株主還元の指標として、「累進配当」を掲げている銘柄もあります。今回は、この累進配当についてや、その採用銘柄について、解説してみたいと思います。

累進配当とは

累進配当とは、配当金を毎期減配することなく、維持・増配し続けることを目指す配当方針のことを言います。

DOE採用銘柄も配当金の減配リスクが低いですが、累進配当採用銘柄はより減配しないことに重きを置いている感じですね。

DOE採用銘柄だけでポートフォリオを組まれている投資家ヘムさんは、同じく累進配当政策を採用している「連続増配宣言株」のみでもポートフォリオを組まれています(出典:「増配株投資」)。運用益は運用期間2年5か月でなんと約85%のプラス!すごいです。

なお、日経累進高配当株指数という株価指数があります。この指数は、累進配当が10年以上続いている銘柄のうち、配当利回りが高い上位30銘柄から算出されています。愛称は「しっかりインカム」。ちょっとかわいいですね(笑)。

つまり、この「しっかりインカム」に採用されている銘柄を調べて、かつそこから業績が安定している銘柄を絞り出せば、十分に投資先候補となりえる銘柄を手軽に調査できるわけです。

累進配当の採用銘柄

それでは、「しっかりインカム」採用銘柄で、気になる銘柄を3つ、ご紹介したいと思います。

①日本ゼオン

日本ゼオンは総合化学メーカーで、タイヤなど合成ゴム事業、液晶ディスプレイなど高機能材料事業、農薬などの基礎化学品を提供する化学品事業を展開しています。

日本ゼオンは2025年3月で15年連続増配。DOEも採用しており、4%以上を方針としていて株主還元への強い意思表示が見受けられます。

ヤフーファイナンスによると、PERは11.99倍、PBRは0.94倍、MIX係数は11.27とそこそこ割安です。配当利回りは4.23%となかなかいい数値!

IR BANKも見てみましょう。(出典:IR BANK)

売り上げはゆるやかな右肩上がり。営業利益・経常利益も堅調ですね。

財務では、自己資本比率を上げてきていますね。一方で、有利子負債比率は下がってきており、安定した経営が確認できます。

1株配当、きれいな右肩上がりです!理想的な配当金の出し方ですね。

会社の業績も問題なし、財務健全、MIX係数もそこそこ割安なので、今すぐ数株買って監視銘柄に入れようかな(笑)。


②三菱HCキャピタル

三菱HCキャピタルは大手総合リース・ファイナンス会社で、機械や航空機、不動産など幅広いリースや割賦販売を手掛けています。

三菱HCキャピタルは前期で26期連続の増配を達成しており、今年度も増配する見込みとなっています。どこまで伸びるか期待ですね。

ヤフーファイナンスによると、PERは10.92倍、PERは0.99倍、MIX係数は10.81とやや割安。配当利回りは3.70%と程よい利回りですね。

IR BANKで過去の業績を見てみます。(出典:IR BANK)

2022年度から売り上げがぐんと上がりましたが、これはおそらく日立キャピタルと合併したためです。それ以降、売上も経常利益も右肩上がりで良好ですね。

自己資本比率が15%と低くなっていますが、一般的にリース業界では自己資本比率が20%を下回っていますので、この数値はそこまで問題ないかと思います。

こちらも一株配当がきれいです。配当性向も40%台で安定していますね。

経営良好な累進配当採用銘柄の三菱HCキャピタル。YouTubeやネットなど、いろんなメディアで取り上げられていますが、意外とまだ割安なんですね。僕も多少持っているのですが、買い増ししようかな?


③日本化薬

日本化薬は化学メーカーで、エアバッグ用インフレータや液晶ディスプレイ、高機能材料などのファインケミカル事業、そして医薬農薬などのライフサイエンス事業を展開している会社です。

日本化薬は40年以上、非減配を継続しているとのことで、非常に長い累進配当銘柄になります。

ヤフーファイナンスで見てみると、PERは13.05倍、PBRは0.86倍、MIX係数は11.22とこちらも割安寄り。配当利回りは4.16%です。

IR BANKでの過去の業績は以下の通りです。(出典:IR BANK)

売上は少しずつ右肩上がり。経常利益、当期純利益はヨコヨコと堅調です。

自己資本比率は7割超えと高いですねー。有利子負債比率はここ最近増えてますが、まだまだ低めに推移してて問題ないと思います。

一株配当は増配して維持、また増配して維持を繰り返しています。2024年に配当性向が100%を超えており、前年と同額を出すのはかなり苦しかったと思いますが、減配せずしっかり出してくれました。こういう姿勢が株主思いでいいですね!

日本化薬でした。こちらも売上良好だし財務健全だし株主還元の姿勢よしだしで、なかなか良銘柄なのではないでしょうか。


以上、累進配当を採用し、日経累進高配当株指数に採用されている3銘柄について紹介してきました。意地でも減配しないぞという姿勢がたまりませんね!

どれも高配当株ですが、まだ増配の余地も残っていそうなので、要チェックですよ。

皆さんも「しっかりインカム」採用銘柄をチェックして、これはいいと思う銘柄を見つけてみてください。

※投資は自己責任でお願いします。

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